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「スクールロイヤー」とは?
2019年に、文部科学省は、学校を取り巻く諸課題について法的助言を行う「スクールロイヤー」を全国に配置する方針を明らかにしました。
では、「スクールロイヤー」とは、どのようなことを行い、どのような役割が期待されているのでしょうか?
日本弁護士連合会は、「スクールロイヤー」について、「各都道府県・市町村の教育委員会、国立・私立学校の設置者において、学校で発生する様々な問題について、子どもの最善の利益を念頭に置きつつ、教育や福祉等の視点を取り入れながら、法的観点から継続的に学校に助言を行う弁護士」と定義しています(2018年1月18日付け「『スクールロイヤー』の整備を求める意見書」)。
要するに、「スクールロイヤー」とは、「子どもの最善の利益」のために、学校からの相談を受けて法的助言をする弁護士です。
スクールロイヤーが学校に対して助言をする案件は、非行、いじめ、児童虐待、保護者対応、指導上の問題への対応、学校事故への対応など、多様な案件が想定されています。
このような案件について、弁護士が、福祉的視点を取り入れつつ、学校に法的助言をすることにより、問題の予防や解決が期待されています。
このように、スクールロイヤーが「学校に助言をする」と聞くと、スクールロイヤーは、「学校や教員の味方なのでは?」と思われる方がいるかもしれません。
しかしながら、スクールロイヤーは、学校の味方ではなく、中立的な立場から、「子どもの最善の利益」を実現するための弁護士です。
子どもの最善の利益を実現する上で重要な役割が期待されており、同時に子どもたちのために真摯に働く教職員を法的にサポートすることが期待されています。
すでに一部の地域ではスクールロイヤー制度の導入が始まっています。今後も、自治体及び学校がスクールロイヤーを活用することが予想されており、スクールロイヤーの出番は増えていくと思われます。