コラム
column
ヤングケアラーをご存じですか?
ヤングケアラーとは、「本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども」のことをいいます。
例えば、日常的に以下のようなことを行っている子どもたちです。
〇障がいや病気のある家族に代わり、家事全般をしている
〇障がいや病気のある兄弟の世話・見守りをしている
〇目を離せない家族の見守り・声かけをしている
〇難病や精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
このように子どもが家事や家族の世話をすることは、普通のことだと思われるかもしれません。
しかしながら、ヤングケアラーのなかには、
①勉強する時間や友人と遊ぶ時間、睡眠時間を充分確保できないことにより、学業や友人関係に悪影響が生じて
いる
②家族のケアを相談できる人がおらず、問題を1人で抱え込むなどの年齢に見合わない重い負荷がかかっている
という子どもたちも少なくありません。
先日、ヤングケアラーについての研修に参加した際に、精神疾患のある親のもとでヤングケアラーとしての経験を持つ方のお話を聞く機会がありました。その方が、「自分の環境が通常ではないことになかなか気づかない」「周りにヤバイ家だと思われるので学校で言えなかった」「ヤングケアラーの認知と支援の両立を図ってほしい」などとお話していたのが印象的でした。
ヤングケアラーのことを周知したり、支援体制を整えたりすることにより、ヤングケアラーが「誰かに頼ってもいいんだ」と思い相談できるようになったり、周りの人がヤングケアラーに気づき支援につなげることが、「子どもが子どもらしくありのままに生きられる社会」を実現するために、重要となります。
みなさんの周りに、ヤングケアラーとして苦しんでいる子どもがいれば、まずは、寄り添い、話を聴いてあげてください。