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離婚後の親子の交流

弁護士 森 亮介

 未成年の子どもをもつ夫婦が離婚する際は、父母の一方を「親権者」として指定することとなります。

 子どもと離れて暮らす親(=非監護親)が、子どもとの面会により、子どもの成長状況などを知りたいというのは、親として自然の心情であり、子ども自身も、非監護親と会いたいという気持ちを持っていることが少なくありません。このような場合に、非監護親が、子どもと会ったり、連絡を取ったりするなどの方法により、親子の交流を行なうことを「面会交流」といいます。

 面会交流により、子どもが、どちらの親からも愛されていると感じることは、子どもの人格形成や発達にとって有益であり、離婚による子どもへの影響を軽減できることが、心理学の知見からも指摘されています。非監護親による虐待があった場合など、非監護親との面会交流が、子の福祉を害するおそれがない限り、面会交流は子の福祉に沿っているといえます。

 ところが、離婚に際し、夫婦が深刻な紛争・緊張状態にある場合、他方に対する不信感や葛藤などから、面会交流が実施できなかったり、実施できたとしても、子どもが、父母間の対立や緊張関係に巻き込まれたりするケースがみられます。このような場合に、弁護士が間に入ることにより、事案に応じて、面会交流の意義を丁寧に説明したり、子の利益を考慮しながら、詳細かつ周到な面会交流の方法を検討・提示したりすることができます。また、父母と子どもだけで面会交流を実施することに不安を抱えている場合には、弁護士の立ち会いのもと、面会交流を実施することもあります。

 弁護士として、依頼者の気持ちに寄り添いながら、子どもに対する関係では後見的な視点をもって、常に子どもの利益にとって何が最適かという点を忘れずに、今後も面会交流と向き合いたいと思います。