コラム
column
コロナによる行動制限下での園芸の楽しみ
弁護士という仕事は、一般的に堅苦しいものとイメージされている。まして、私共の依頼者の方々からすれば、弁護士としての仕事をしている際の姿でしか私共を見ていただけない。
そこで、弁護士としての私とは別の一面を紹介させていただこう。
コロナ禍で、外出がままならない。楽しみでもあり目標でもある続日本100名城巡りのツアー参加も、ツアー自体の催行中止が続き、今年になってから一度も行けていない。
そんな下で、もう一つの趣味である園芸には、例年以上に時間を費やせている。そんな園芸作業の中で、4月から6月にかけて一番に時間をかけるのが、ブドウの世話である。自宅横の隣地は、菜園とブドウの栽培に使っていて、巨峰の木が一本植わっている。10畳程の範囲の大きな棚仕立てに育っているので、一本とは言え100房以上の実をつける。ブドウの中でも、巨峰は、一番に手間がかかる。
・4月の芽吹き前の消毒と芽かき(余分な芽を摘むこと)
・新枝が伸びてくると花房の先端2㎝くらいのカットと1mを超えた新枝の先端カット
・5月に花房が果房になると、充実した果房を選び、残りの果房をカット
・1週間くらいすると、今度は果房一つに実が20粒程度になるよう、小さな果実をハサミで一粒一粒カット(摘 粒)
これらの作業に要する時間と根気はかなりのものとなる。朝は、事務所に出る前の1時間強、夕刻は帰宅してからの1時間強、ブドウ棚の下へ直行し、このような作業をする。隣人からは「何をバカなことをしているのだろう」と見られているかもしれないが、私にとっては、実に楽しい時間である。好天の日など、新緑の大葉越しに朝・夕の陽光を受けながらの作業は、私的には至福の時である。このような作業をやっていると、つい時間を意識しなくなってしまう。そこで、朝の作業には必ず腕時計をしていき、事務所に出る時間を意識しながら行う。
6月の第1週くらいまでが、このような作業である。6月の第2週くらいには、こうしてできた果房に袋を掛ける作業を行う。これは、8月中旬以後に大粒の巨峰が袋をパンパンに張り詰めさせる姿をイメージさせながら行う、最も楽しい作業である。この作業は、朝の時間を1週間くらい使って完了させる。この後は、余分に出てくる新しい枝をカットする作業をしながら収穫を待つ。
このような次第で、コロナ禍による外出抑制下ではあるが、ブドウのおかげで時間を持て余すことなく生活が出来ている。と同時に、弁護士業務の多忙と疲れは、このような作業によって、ずいぶんと軽減され、気分を癒され転換させている。身体に相談しながらではあるが、このような園芸の楽しみは継続させたいと願っている。