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猫が来た

弁護士 岡 正人

昨年2月に、うちに猫が来た。3月にもう一匹やってきた。

 

こうして家族が二匹増えたのですが、今のようになるには様々な紆余曲折を経ました。その顛末をコラムに書きたいと思います。

もともと、私が子供のころには実家で猫を飼っていたので、猫に対する拒否感はありませんでした。ただ、当時は「外飼い」が普通で、飼っているのか、ご飯のときだけやってくる野良猫なのかよくわからない状況でした。

今般、うちで猫が飼える状況が整ったので、どうせ飼うなら、購入するんじゃなくて保護猫(野良猫が保護され、行政等で一時的に飼育されている猫)を引き取れないかということになりました。保護猫の譲渡会にも顔を出してみたのですが、なかなか、この仔という存在には巡り合えませんでした。

そうしたところ、当事務所の職員の実家が農家なのですが、その農業用倉庫で、野良猫が出産して困っているという話が耳に入りました。野良猫ではあったものの、時折、ご飯をあげたりして世話をしていた猫が二匹の子猫を生んだらしく、このままでは多頭飼育崩壊を招きかねないという相談でした。家族に相談して、捕まえてくれたら子猫を引き取ることはできると回答し、捕獲を待ちました。

そこからが長かったです。

確実なことはわかりませんが、子猫が生まれたのはおそらく令和3年12月20日の深夜で、相談があったのは翌令和4年1月、実際に捕まったのは2月になってからでした。それも一旦ケージに確保したというところから、部屋の中に逃げ出され、部屋野良化してしまうという有様でした。 なんとか子猫一匹だけは捕まえたものの、もう1匹は網戸を蹴破って、再び外の世界へ飛び出してしまいました。

そうして2月にまず1匹、うちにやってきました。それまでは野良猫として自由に生きていたところから急に捕獲されたので、警戒心が半端ではなく、当時を思い出すと、「フー」という唸り声とケージに手を入れようものなら、爪を出した状態での猫パンチの洗礼を受けるありさまでした。この猫は、おなかの毛が真っ白であることから「ゆきも」と名付けられました。

その後、もう一匹の子猫もようやく3月に捕獲され、3月中旬頃にやってきました。この猫は「くろも」と名付けられました。この仔はゆきもに輪をかけて警戒心が強く、しばらくの間は、ご飯のとき以外は、ケージの中で二匹が一つの毛玉のように丸まってじっとしているという状況が続きました。

                                              (つづく)